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【社労士監修】退職したい薬剤師向け!退職を認めてくれない時、どうする?

薬剤師の退職は自由です

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こんにちは。

社会保険労務士の玉上信明(たまがみのぶあき)と申します。

 

 長時間労働等で体調を崩すなど様々な事情で、退職・転職を考える薬剤さんもいらっしゃるでしょう。

とはいえ「自分が辞めたら残ったスタッフに迷惑がかかる」などと躊躇する方もおられるようです。

 

経営者の中には

「退職されると薬局が回らなくなる。代わりの人を連れてこい。勝手にやめたら損害賠償請求するぞ」

と言う人さえ見受けられます。

 

この記事では、

・ 退職を考える薬剤師さんの意思は、法的には最大限尊重されます。

・ご自身の健康を第一に考えるべきです。

ということについて、解説します。

 

今回のポイントを先取り

従業員が自分の意思で退職することを事業主が拒むことは、基本的にはできません。

損害賠償請求などというのはただの恫喝です。認められるはずはありません。

(大事な問題なので、根拠となる法律の条文も本文中に掲載しています。)

 

退職したいという意思は最大限尊重される

繰り返しになりますが、

薬剤師さんが自分の意思で退職することを、薬局経営者等が拒むことはできません。

 

無期雇用契約の場合、薬剤師さんが退職の意思を事業主に伝えれば、2週間後に退職できます。

 

有期雇用契約の場合、原則として契約終了までは退職できませんが、

労働契約期間が1年を超える場合、契約初日から1年以上経過していれば、事業主に申し出ていつでも退職できます。

 

さらに、やむを得ない事情ならば、直ちに退職することも可能です。

典型的な例は、通勤できない遠距離への引っ越しやハラスメント、病気などが考えられます。

長時間労働で体調を崩した場合も、該当しうるでしょう。

 

【参考条文】

民法

(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)

第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。

この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

 

(やむを得ない事由による雇用の解除)

第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。

この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

 

労働基準法附則(抜粋)

第百三十七条 期間の定めのある労働契約(その期間が一年を超えるものに限る)を締結した労働者は、当該労働契約の期間の初日から一年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。

 

事業主が薬剤師に就労強制したり、損害賠償請求したりすることはできない

退職を申し出た薬剤師に対して、事業主が不当な手段・方法で就労を強制することは労働基準法で禁止されています。

厳しい刑事罰も定められています。

 

例えば、会議室等で管理職などが本人を取り囲み

「退職されると迷惑だ。代わりを連れてこい。損害賠償請求するぞ。」

などと恫喝するなどは、許されないのです。

 

【参考条文】

労働基準法

(強制労働の禁止)

第五条

使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。

 

(罰則)

第百十七条

第五条の規定に違反した者は、これを一年以上十年以下の懲役又は二十万円以上三百万円以下の罰金に処する。

 

なお、やむを得ない事由の退職について、辞める側に過失があれば事業主は損害賠償請求できる、という規定はあります(前述民法第628条)。

とはいえ、実際に損害賠償請求が認められた判例は見当たらないとされています。

 

できる限り円満退職を目指す

就業規則や労働契約等で退職時には1か月前までに予告するように、といった定めがあることが多いでしょう。

それでも、就業規則等より前述の民法や労働基準法等の定めが優先されます。

無期雇用契約で2週間前の予告、やむを得ない事情があれば無期有期にかかわらず、即時の辞職も可能です。

 

とはいえ、就業規則のルールに従わないと、

賃金や退職金等について支給条件を満たさないなどとして、減額されるといったこともあり得ます。 

 

可能なら、就業規則や労働契約に従って、なるべく早めに辞職の意思を伝えて円満退職を目指しましょう。

また、自分が辞めたら他のスタッフに迷惑がかかるなどとお考えならば、

事業主やスタッフの皆さんと話し合い、できる限りちゃんと引き継ぎをして退職することを目指しましょう。

 

薬剤師さんと事業主が話し合ってお互いが納得すれば、

法律や社内ルールにかかわらず、合意した方法に従って辞めることができます。

事業主に話し合いを求めて円満に退職の条件を決めるのがベストです。

 

どうしても円満解決できないとか、事業主から無理を言われた、というなら、

総合労働相談コーナー等の公的な相談機関との相談も検討しましょう。

 

(参考)わかりやすい解説

以上述べたことについて、

東京都労働相談情報センター ( TOKYOはたらくネット)」

でわかりやすい解説があります。

 

本文中に示した法律の条文に加えて、このような資料を示して、事業主や管理者と話をするのも役に立つかもしれません。

事業主や管理者はこのような法律の規定をよく知らずに話している場合が多いと思われます。

 

どうなる?こんなトラブル!パート・アルバイト、派遣社員、契約社員で働く方のためのQ&A

(パート、アルバイトなど非正規社員の方向けにわかりやすく解説された資料ですが、正社員の方にも、そのまま参考になります)

 

8-2.仕事を辞めたくなったら① (雇用期間が決まっている場合)

8-3.仕事を辞めたくなったら② (雇用期間が決まっていない場合)

4-10.仕事を辞めさせてもらえない

 

(参考資料)

東京都労働相談情報センター – TOKYOはたらくネット どうなる?こんなトラブル!パート・アルバイト、派遣社員、契約社員で働く方のためのQ&A

 

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